呪恋成就

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 どうか神様。わたしの恋を実らせてください。  あの目障りな女より先に彼をわたしのものにしてください。  この神社は恋を成就させてくれると聞きました。  だから真夜中に親の目を盗んでこんな山深いところまでお参りに来たんです。  だってそうしないといけないんでしょう?  裏サイトでそう読みました。  彼の写真と自分の写真もちゃんと持ってきています。彼を隠し撮りするの結構大変でした。  お供えも必要な道具も準備できてます。それをどう使うのかもわかっています。  もちろん覚悟の上でやってきました。あいつには絶対負けたくないから。  彼のことを好きになったのはわたしのほうが先なのに、あいつは違うクラスのくせして休み時間になるたび彼を覗きに来て――その視線に気付き始めた彼が意識しだしたんです。  わたしの視線に気づきもしなかったのに。  一番むかつくのが自分をかわいいと思ってること。自信満々で、ほんとにほんとにむかつく。  ああこんなことグチってる場合じゃない。はやくお供えしてお願いしなくちゃ。  捕まえるの大変だから買ってきたんです。子猫や子犬は高いからうさぎにしました。動物ならなんでもいいんですよね? これでもわたしにとっては痛い出費に違いないんですけど。でも恋愛成就のためだもの。  お社の裏にある森の木にお供え物を釘で打ち付ければよかったんですよね。そしてお腹を裂いてその中に彼の写真と自分の写真を埋め込むんですよね、恋の成就を祈りながら。  こんな気持ち悪いことをするんですもの。きっと実らせてください。どうかお願いします。
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