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それからテントでの会話は覚えていない。大したことは話さないし、相変わらず山辺のことは和馬に話せない。
一度、和馬が持ち掛けた 瀬谷の仕切る殺人サイトの集いでもある“アンフェール“へ村瀬を招待する話題になった。
「いいよ、怖いし」
「怖いことないって。俺がそばにいるから」
「だって……」
村瀬はモゴモゴして何か言いたそうだ。それでもいえないようで黙りこんだ。
「冴島は行きたがってるんだろ………」
瀬谷が切り出した言葉にはっとして、和馬の顔を見ていた。和馬はにやにやしながらうなずく。
「行く………」
村瀬の落ちた視線の先にある練炭の在庫に瀬谷も視線を向けた。そのとき、村瀬がこちらを見ていたことに気づかなかった。
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