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沼のすぐそばにある砂利道にずぶ濡れの瀬谷を見つけたとき、気づけばしゃがみこんで嗚咽を繰り返していた。
通りすがりの通行人が声をかける。返事をしないため目を背けた先に同じ景色を見た。やはり言葉を失ってその場に立ち尽くす。
そのとき、初めてその人の顔を見たような気がした。
色落ちしたコバルト色のパーカーが肩から今にも下がりそう。青白い顔がやけに弱々しく見せる。男のくせに、瀬谷と同じくらいの………恐らく瀬谷を知っている人。あの日、瀬谷の名前を呼んだ人のとなりにいた男。
そう………そこにいたのは、瀬谷を訪ねてきた村瀬だった。
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