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「禁酒しても、それ以上背は伸びないんじゃないか?」
「そんな理由じゃねーよ!」
俺は真っ赤になって立ち上がったが、咳払いして坐り直す。そうして、沈み込むソファにおお、と感嘆する。さすが、金持ちの家のソファは違うな……。久我は長い足を組んで、グラスを傾けている。こいつほんとに17歳かよ。様になってるのがムカつく。俺は咳ばらいをし、本題に入った。
「……おまえがそんな風になったのには理由があるはずだ。話してみろ」
「そんな風?」
「だから、女の子と、その」
「一度やったら捨てる?」
純情な俺には信じられない言葉が飛んできた。
「お、おう、それ。そんなことしてたら、それこそ世間体とやらが悪いんじゃねーの」
「向こうから寄ってくるんだ。俺が誘うわけじゃない」
俺は顔をひきつらせた。む……むかつく。
「あー、親御さんが側にいないせいか?」
「ちがう。単に、セックスしたいだけだ」
「は?」
「したいだろ? 人間はセックスするために生まれてくるんだ」
「セックスセックス言うなよ、お坊ちゃんのくせに」
「上品振るなよ、童貞」
その言葉に、俺はかっとなる。
「うるさい、俺はな、本当に好きな子ができるまでとっとくんだよ!」
「へえ、気持ち悪いな、おまえ」
「きもっ?」
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