寝る前にside***エルシオン&ルヴァニレット

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「実は、エスリアール城に滞在中のある晩、アーヤがふと就寝前に、しばらく見ない雨が見たくなったそうだ。 そこで、アーヤの世界に伝わる子供が遊びでするような翌日の晴天を祈る(まじな)いをわざと雨が降るように試した。 聞いた限りある種の雨乞(あまご)いとも言える行為だが、試した本人は童心に返りただの気休め、遊びの延長だったようだがその夜……。」 「降ったんだな雨が。」 「本当に、その夜から翌朝にかけてかなりの雨が降り注いだ。おそらく局地的に。 そして、驚くべきはもうひとつ。(まじな)い人形が、作った張本人の知り得ぬところで衰弱しきった水獣を引き寄せ、自分という()(しろ)憑依(ひょうい)させ救済していた。てるてる坊主という人形らしい。 そのてるてる坊主を作ったアーヤに水獣は命の恩を感じ、使い魔契約を持ちかけ、アーヤはそれを受けた。」 「はぁ…、水獣といっても様々だが、アーヤのことだ。どうせ普通は見かけないような(たぐ)いのやつなんだろう?」 「まあ、そうだな。契約したのは聖獣青龍(ブルードラゴン)の眷族水獣、タツノオトシネコで白い種だったんだ。」
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