1125人が本棚に入れています
本棚に追加
/1202ページ
停電になってから自室の中でしゃがみ込んでどれくらい経ったのか。
意識がぼやける頭で考えながら体を起こす。
暗い……何か頭も痛い?
えーと、落ち着け……。
確か、今日は17時定時退勤なんて無理だけど17時半位には帰ってゆっくりしたくて
スケジュールの合間も頑張って勤務内でちょっとずつルーチン業務とは別の主任業務こなして、わりと早く帰れた方だった。
いつもの疲れを感じながらお母さんに電話、
雷が光って、ワクワクしながら帰ってきた。そうだ。めちゃ近くに落ちて、火花散って
「停電…したんだった。あれっ?まだ暗い?
およっ?体がさっきより怠い??何で??……」
ズキッ・・ズキン・・ツキンツキン・・・・いったー。
両目を軽く擦るが、視界は変わらない。
最近痛みだした左肩から肩甲骨にかけてのぎっくり背中のツキツキ感と頭重感からおもむろに体を起こす。
(ズキンズキン・・ツキツキ・・・)
介護は体が資本だけど最近…特に三十を越えた辺りから疲れは溜まる一方だし。体力落ちたな。
はぁ…
歳かな。二十代と三十代の間には確かに境界があると思う。
「あーあぁ、私にゃプレミアムフライデーな
んて一生ないわ。はぁ ゆっくりのんびり温泉とかリフレッシュ癒しの旅とかしたい…」
‐‐‐あの…だいぶ疲れてるみたいだけど、大丈夫?
ん?
やや回想から現実逃避も混じりながら独り言をぶつぶつ呟く綾子の背後から突然声がした。
ビクッ・・(声がした?私の後ろから?)
シーン…………………。
‐‐‐ねえって…「そうか!」ば。
「夢だ。なるほど。これが夢であるあるの、夢の中だと気づく瞬間なんだな~。」
「いやー、初めてだ。夢の中でわかるなんて。いつもはフルカラーだし、音も臭いも風だって感じる時もあるけど、寝てる間に気づけないんだよね。」
「いやいや、疲れてきっと暗いから寝ちゃってたのか。なーんだ」
沈黙に耐えかねてウンウン頷き一人納得した綾子。
‐‐‐あのーぉ…すみません、聞こえなかったみ
たいだけど、ここは夢じゃない…よ?
シーン…………………………………
「ばんなそかな?!」
最初のコメントを投稿しよう!