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某ドラマのセリフと同じ言葉をつい意識的に使うことができるくらいには落ち着いてきていた。
今、確かに信じられない言葉が聞こえた。誰かいるの?
ゆっくり振り返りながら辺りを見回すが、暗くて見えない。
夢だし、何かもう怖さもさほどない…?楽しいこと起きた方がいいな。しばらく太郎に夢
で会ってないから出てこないかな~
呑気に思案するが、一応、確認。
「誰かいるんですか~?」
‐‐‐‐あぁ、良かった。やっとこちらに意識が向いたね。
暗闇で謎の声は優しく、綾子から問いかけるまで待っていてくれたようだ。
まるで見えるはずまはないのに、ほっ…としたような顔が浮かぶ位には綾子を心配している声音だった。
「すみません、自分の夢なのに暗いし、困ってました。あなたは誰ですか?私の知っている人でしょうか?」
混乱して当たり前だよ。はじめまして、佐藤彩子さん。私の話をどうか落ち着いて聞いて欲しい。
自己紹介したいのだけれど、声だけじゃ不安にさせるよね。そうだ!好きな動物を思い浮かべてみてよ。この暗闇を明るくするつい
でに姿を変えるからさ。
「はぁ。好きな動物ですか。えーと、とっとりあえず!」瞳を閉じて先程、会いたいと思った太郎をイメージすることしばしば。
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