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「アーヤなりにやり過ごそうとはしたようなんだが、それがまた相手の好奇心を刺激する結果となってしまったようだ。
彼に壁へ押し迫られてどうしようもなくなってしまい、簡単な護身の心得があったが為にアーヤは不意討ちながら一撃、彼に打ち込んで離れた隙に私達に助けを呼ぶことができて事なきを得たということがあった。」
「何をしているんだ…。ん?待て、助けを呼ぶといっても魔法を何か使えるようになっていたのか?」
「いいや、魔法ではない。使い魔を放ったんだ。」
「使い魔…だと~!?」
驚きに目を見開くルヴァニレット。
(無理もない。学院でこれから魔法について学ぶような初心者ができることではないし、使い魔契約を成立するには陣と術の知識、魔力干渉コントロールなどが不可欠でもあるからな。
私も使い魔は得ていない。この様子だとルヴァニレットも同じか。)
「私達が駆けつけた時のアーヤは珍しく気も立っていて、怒りからか魔力の威圧も増していた。」
そう、警戒心丸出しの毛を逆立てたネコのようでもあった。
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