20人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
出会い
此処は黒い街。
それを、強調するように輝くネオンの光。
此処で何が起こっても、おかしくない。
だからこそ、誰もが憧れ、訪れる。
そんな街に迷い込んだ僕は今、
「僕のペットになれ。」
と、笑顔で言われてます。
僕は南 葵。
高校生してます。
僕が、何故此処にいるのかというと、暇だから。
そして、久しぶりに出てみると、このザマだ。
「何?
お兄さん、僕は人間だよ?
頭、大丈夫?」
僕は、茶化すように言ってみた。
「そんな事は、分かっている。」
そして、手の届く距離まで、近づいて来た。
「なっ、何?
近づかないでくれる?」
僕が焦ったような声を出しても、聴こえてないのか。
はたまた、聴こえないフリをしているのか分からないが、近づいて来る。
その男は、身長は190cm前半程あり、見つめられたら、男でも惚れそうなほど、顔は整っており、吸い込まれそうな深い青い色をした目が印象に残った。
すると、近づいて来た男は、僕の顎を持ち上げると、キスをしてきた。
生易しいものではなく、深く、どこか獣に食べられてるように感じるキスだった。
「ふっ、・・・んっ・・・やっ・・だっ・・・」
そう言いながら抵抗をするも、背の低い僕にとっては、男からしたら無力も当然だった。
段々、苦しくなった僕は、もう無理だとでも言うように、男の胸元を叩いた。
それに気付いた男は、やめてくれたが、キスによって腰を砕けた僕は、自力で立てず男に支えられ、その上、追い討ちをかけるように、耳元で、
「お前に拒否権なんて無いから。」
そう言って、僕は更に動けなくなった。
これが、彼との出会いだった。
その彼というのが・・・
最初のコメントを投稿しよう!