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横田「何か、ドラマのワンシーンみたいでわくわくするね!」
涼夏「あー!ですねえー!」
涼夏のリアクションに、マキはひじで涼夏を小突いた。
マキ「それで、犯人の目撃情報なんですけど、」
近藤「はい、確か・・・・夜の22時過ぎだったはずです。私は現場近くの歩道を歩いていました。」
近藤の話によると、事件当日の夜、近藤さんは買い物の帰り道に、自分とは反対側の歩道に見慣れない人物が歩いているところを見かけたそうだ。
その人物は、身長は180cmくらいの男性で、黒い帽子を深く被り、黒のパンツに黒のジャケットを着ていたそうだ。
マキ「一ヶ月前だと、まだ暑かった時期ですよね・・・」
涼夏「かえって、目立ってますね・・・」
近藤「ええ、ですから、この時期にしては暑そうな格好しているなあ、とは思ったんですけど、」
そして、横田さんも同様、現場から程近い自宅の外で同じ特徴の男を見たそうだ。
マキ「横田さんも、近藤さんと同じ服装の男を見たと、」
横田「はい、男の人で、身長も外見も同じです。」
涼夏「それで、相手の顔は?」
横田「それが、帽子が深く被っていたので、よくわからなかったんです。」
近藤「私も、顔までははっきりとわからなかったなあ・・・・」
涼夏「鼻とか、口とかも?」
近藤「俯いてたんですよ、ずっと。」
横田「そうそう、私が見たときも。」
マキ「あの、さっきから気になっていたんですけど、お二人は何故『男』だとわかったんですか?」
近藤「え?ですから、外見で・・・・」
涼夏「でも、顔は見えなかったんですよね?背の高い女性だっているし、男性とわかった時点で、何か特徴があったんじゃないんですか?」
近藤と横田はお互いに顔を見合わせた。
近藤「それは・・・」
横田「体格が、かなりごつかったので、そう思ったのかも・・・」
涼夏「こう、胸板があったとか?」
近藤「そう、ですね・・・・」
マキ「男性に装った女性の可能性もありますし、他に心当たりは?」
近藤「そう言われても・・・・」
横田「咳払いです。」
涼夏「咳払い?」
横田「はい、確か、私の前を通りかかったときに咳払いを、その時の声が低い声だったので。」
近藤「そうそう、私のときもそうだった!」
マキ「近藤さんのときも?」
近藤「はい。」
涼夏「咳払い?」
近藤「何回か、」
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