青の街

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居間の空間には二階までふき抜けになっていて、 面積の広い壁際には様々な物が飾られていた。 金色の縁に飾られた絵画 大きな青枠の掛け時計 名所の風景が写っているカレンダー その壁の床元には、大きな液晶のテレビが置かれていて、テレビのスタンドには近藤の家族が写っている、青の写真立てが飾られていた。 マキ「・・・・・・」 近藤の家を後にしたマキと涼夏は、同じく目撃証言をした向井という人物を訪ねることにした。 事件現場の清風荘から歩いて3分、表通りの商店街の中に『向井精肉店』がある。 ガラス戸の入口を開けると、冷気に包まれた店内には豊富な種類の精肉がショーケースに並んでいる。 その、ガラスのショーケースに、涼夏が両手を付いて見つめていた。 涼夏「サーロイン、サーロイン・・・・」 その横で、マキは店主である向井良一(むかい りょういち)と話をしていた。 マキ「・・・・つまり、あなたが不審者を見たのは、事件当日の22時頃ということですね?」 向井「そうだよ、間違いない。」 マキ「背格好は?」 向井「警察にも話したけど、全身真っ黒の男だったよ。」 マキ「どうして男だってわかったんですか?」 向井「どうしてって・・・・体格もよかったし、背も高かったし、ぱっと見で男だと思ったんだよ。」 涼夏「リブロース、リブロース・・・・」 向井「ちょっと・・・・その子どけてくれない?商売の邪魔だから・・・」 マキ「ああ・・・ほれ涼夏!」 マキは涼夏の襟を掴んで待ち上げた。 涼夏「ニャアー・・・ところで向井さん、その男はどこ見たんですか?」 向井「え?どこって・・・・この店の中だよ。」 マキ「店内ですか、22時頃に?」 向井「だから、さっきも言ったじゃ・・・」 涼夏「このお店は何時に締まるんです?」 向井「え?21時までだよ・・・・」 涼夏「21時閉店で、22時にこのお店で目撃したと、」 向井「そうだよ。」 マキ「閉店から22時まで何をしてたんですか?」 向井「何って・・・片付けしてたんだよ・・・」 マキ「片付け、なるほど。」 涼夏「その時に、お店の外のあの辺りで・・・」 涼夏が外に向かって指差すと、そのままガラス戸の前に立ち、水滴の付いたガラスに、両手を上げたチープな人の絵を指で書き始めた。 涼夏「こんな感じで?」 向井「もうちょっと、左だったかな・・・・」
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