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隆司と玲奈はマキを見るなり、口を閉じて笑みを浮かべた。
隆司「おっす。」
玲奈「おかえり!勝手に上がっちゃった。」
マキ「あんたたちねえ、他にやること無いの?」
ソファーの前にはテーブルが置かれていて、トランプが散らばっていた。
涼夏「ねえ!何やってんの?」
涼夏は隆司と玲奈に並んでソファーに座った。
玲奈「オイチョカブ!」
涼夏「おいちょかぶ?何それ?」
隆司「今、玲奈に教えてたんだよ、涼夏も教えてやろうか?」
マキ「今そんなのやってる奴いるの?」
隆司「いいか、使う札は1から10までで・・・」
マキは三人の横を通り抜けて自分の机に向かって席に着いた。
玲奈「そういえば、例の浮気調査の件、どうだった?」
マキ「仕切りなおし。後ちょっとで男がホテルから出てくるところだったのに、涼夏が腹減ったってうるさくて・・・・」
涼夏「よく言うよ!自分だって誘いにのったじゃん!」
玲奈「相変わらず、そんなんじゃ調査の一つもろくに終えられないじゃない。」
マキ「そっちこそ、どうせいてくれるなら、留守番でもしててくれればよかったのに。」
隆司「来たよ、一人、おばさんがここに・・・」
マキが目を見開き、立ち上がった。
マキ「来たの?それで?」
隆司「いや・・・当人がいないから、追い返した。」
マキ「何やってんのよ!せっかくのお金が・・・」
隆司「怒るなよ、また三十分後来るって行ってたから・・・」
マキ「いつ頃?」
隆司「・・・・三十分前。」
マキ「よし、あんたらそろそろ出てってよ。」
玲奈「冷たいなあ。」
マキ「こっちは生活がかかってんだからね、当然。」
隆司「その割には上手い昼飯食ってきてるみたいだけどな。」
マキ「うっさいな、隆さんもそろそろ店の準備しなきゃいけないんじゃない?」
隆司「はいよ・・・玲奈、俺の店で続きやるか?」
玲奈「やるやる、行こう!」
涼夏「よし、行こう行こう!」
三人は笑顔で同時に立ち上がった。
マキ「涼夏、あんたはまだ就業時間中、残りな。」
涼夏「・・・ッチ、へーい。」
涼夏は静かにソファーに座った。
隆司「またな。」
隆司と玲奈は事務所を出て、階段を下りて行った。
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