100人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねぇ、ねぇ。
ママぁ、ママぁ!!」
そう言って、6歳の千那が服の袖を引っ張った。
「どうしたの?」
朝食を作っていると、起きて着替えた千那がゴムを持ってくる。
いつもの光景。
「くくって?」
「んっ、分かった。」
そう言って、ゴムを千那から1つ取って、いつも通りのポニーテールにしようとすると、
「やぁ、やぁ。」
そう言って、首を横に振った。
困った世那は、
「じゃあ、どうするの?」
そう言って首を傾げると
「ふたつ。」
そう言って、ゴムを2つ出した。
それを受け取ると、耳より少し上の高さでツインテールを作った。
世那は、我が娘ながら可愛い過ぎるとほくそ笑みながら、
「お父さんとお兄ちゃんを、起こして来て。」
そう言って背中を押すと、元気の良い
「はーい!!」
という返事を返し走って行った娘を見送り、朝食作りを再開した。
千那が先ず行ったのは、慧斗のもとだった。
「パパ!!
パパ!!
おきて!!」
そう言って、ベットで寝ている慧斗のお腹に飛び乗った。
その振動で目が覚めた慧斗は、千那を抱き締めた。
「おはよ、千那。」
「おはよ、パパ。」
「今日は、いつもと違うね。」
「ん?」
「か・み・が・た。」
「かわいいでしょ?」
「うん。
可愛い。」
そう言って、頬にキスをした。
すると、千那がもぞもぞと動き、慧斗の腕から抜けると、
「にぃに、起こしてくる!」
そして、愛斗の部屋に行った。
また、ベットで寝ている愛斗に飛び乗り
「にぃに!!
おきて!!」
そう耳元で言うと、
「うるさいっ!!
朝から叫ばないでっ!
そして、退いてっ!!」
そう言って、千那を床に下ろした。
そして、世那がそろそろ料理が出来るなという頃に、パタパタパタと可愛らしい音が、世那に近づいて来た。
ドンッ
と、軽いものがぶつかったと思い、足元を見ると、千那が居た。
「あのねぇ、おこしてきたよ。
パパとにぃに!!」
そう言って、大きな目を細めて足に抱き着いた。
「ありがとう。」
ちゅっ
お礼を言って、額にキスをすると、キャキャ言いながら、慧斗のもとに向かった。
最初のコメントを投稿しよう!