2月2日(ツインテールの日)

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世那が料理を食卓に運ぶと、千那を膝に乗せて新聞を読んでいる慧斗が、朝から眩しい笑みで、 「おはよ。 今日もありがとう。」 スーツを着ていてカッコいい慧斗に赤面していると、 「母さん。 おはよ・・・。」 そう言って、目を擦った愛斗が袖を引っ張った。 その声にハッとした世那は慌てて、 「おっ、おはよっ!! だっ、駄目だよ!! 目を擦ったら!!」 朝食を置いて、愛斗の腕を取った。 「でも・・・。」 「それでも、駄目だよ。」 「・・・分かった。 それと、何かする事ない? 手伝うから。」 そう言って、笑った。 世那は心の中で (愛斗が可愛すぎて辛い・・・。) そう思いながら、愛斗に目線を合わせ、 「箸を持ってきて。」 「はーい。」 そう元気な声で返事をし、キッチンに走って行った。 そして、愛斗が全員分の箸を持って来てくれた。 「ありがとう。 持って来てくれて。 助かったよ。」 「ありがとう。 偉いな、愛斗は。」 「にぃに!! ありがとっ!!」 そう言って、世那が頭を撫でると嬉しそうな顔をして、椅子に座った。 いつも通りの朝。 朝食を終われば、それぞれ会社に、学校に、保育園に行く。 「それじゃあ、行ってきまーす。」 「忘れ物ないよね?」 そう世那が聞くと、愛斗は 「大丈夫だよ!!」 そう言って、走って学校に行った。 そして、玄関で見送ると、背後から慧斗に抱きつかれた。 「はぁー、仕事に行きたくない。」 そう言って、世那の首元に擦り寄った。 「行ってください。」 そう言って、慧斗の頭を撫でた。 「パパ!! いこ!!」 そう言って、千那は慧斗のスーツの袖を引っ張った。 「はぁー、分かった。 行こうか、千那。」 そう言って、頭を撫でて、目隠しをした。 そして、慧斗と世那は深いキスをした。 「それじゃあ、行ってきます。」 「行ってらっしゃい。 仕事、頑張ってね。 仕事している姿、かっこいいんだから。」 そう言って、千那の目線に合わせる為に、世那はしゃがんだ。 「いってらっしゃい。 千那、頑張ってね。」 「うん!! ママぁ!! がんばったら、ほめてね?」 「うん!! ご褒美、用意して待ってるね。」 「うん!!」 「いってきます!!」
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