第一章 日常

9/10
前へ
/87ページ
次へ
 私の前で元気に喋っているのは春日(かすが)友稀(ゆき)。  典子とは真逆のタイプで、いわゆる健康美人。  朗らかで、接しやすくて、話題が豊富で、運動もできて、頭もよくて…。  美点を数え上げたらキリがない。  友達も多いし、男の子とも平気で渡り合える。  スポーツ万能なのに部活はしていない。  けれど、時々たのまれては、バスケ部やバレー部などで助っ人をしているようだ。  演劇部の助っ人を頼まれることもあるらしい。どんだけ芸達者なんだ、友稀は。  地味系の私と典子に対して、社交的な友稀。  どうして、この三人が仲良くなったのかは良く分からない。  たしか、友稀が私たちの会話に入ってきたのが切っ掛けだったと思う。  だけど、今もこうやって仲良しでいられるのだから、やはり相性というものがあるの だろう。
/87ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加