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プロローグ。少女まみれの朝一番
身動きができない中、少女達に迫られる夢を見た。
目が覚める。
――なんて夢を見るんだ俺は。
あまりよろしくない目覚めにげんなりしながら、
目を擦ろうと右腕を動かすが、何かに掴まれているようで上手く動かせない。
左腕も何かが纏わりついているのか同じく動かない。
感じる圧迫感に身じろぎすら覚束ない。
まるで夢の続きを見ているようだ。
身体を起こそうとしても何か乗っかっているのか上手く起きることができなかった。
誰かが布団の中にいる。
それも複数。
その証拠に、布団が正面と左右に不自然な盛り上がりがあり、思い当たる節もあった。
自分の状況に嘆息しつつ、自由に動く頭を動かして時計を確認する。
目に映った時刻は六時十五分。
ああ、そろそろ起きなければ朝食に間に合わなくなるな。
仕方なく、身体に力をいれ、
「おりゃああああああ!!」
全身のバネを使い、身体を一気に跳ね上げる。すると――
「きゃー!」
「キャー!」
「キャー…」
喜色。
白々しい。
棒読み。
それぞれが違う色を含む、悲鳴もどきを上げながら、
布団の中で纏まりついていた下手人である、三人の幼い少女が宙に舞う。
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