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あれから俺は違う部屋に連れて行かれた
ルゥキャスは椅子に座りながら俺を見下ろす
口を最初に開いたのは俺だ……
「それで……?俺は何をすればいいんだ?」
「私の質問に正直に答えればいいだけ」
即答された。まるで、当たり前……そんな雰囲気で………
「だから!俺は正直に答えてるのに信じないんだからどうしようもないだろう!」
我慢できずに俺は喚き散らした
だが………彼女は普通に言った
「犯人なんて誰でもいいのよ……私でもあなたでも……ただ上の連中は手柄が欲しいだけ。私は上の連中に……服従なのかしらね……」
一瞬揺れた心を俺は見逃しはしなかった
「昔……何かあったんだな」
彼女の顔が引きつった
「やっぱりそうなのか………」
彼女は泣きそうな顔で俺に言った
「私は幼い頃からこの仕事に就いていたわ。今もそうだけどね………昔から上の連中は口だけで自分達は動こうとしなかったわ……。私達みたいに下の連中は上の命令には絶対服従しないといけないから大変だったわ。体を求められたりなんてほぼ毎日だったわよ。今は少なくなったけどね………ただ……私が話せるのはここまでよ。今度はあなたが話す番。あなたは誰なの?」
女の過去には大して触れないことにした
触れたら触れたで何かされそうで怖いからな
俺は自分の事を話し始める
「名前に偽りはない。浪人……にも間違いはないかな。俺な…
記憶がないんだ」
彼女の目が動揺した。何故なのかは俺にはわからないが……
彼女は動揺を隠しながら話し始めた
「そっ……そうなんだ……あなたも大変なのね………あなたは旅を続けていいわ。あなたの目は嘘をついてない目。信じるわ。少し待ってなさい。渡す物があるから」
そう言い残して彼女はどこかに行ってしまった
暗い部屋に一人で待たされる俺には、不安と恐怖しかなかった
だが、沈黙はすぐに破られた
馬鹿でかい轟音が聞こえた
あれは……モンスター!?
俺が慌てて部屋から出ようとしたところで、彼女は戻ってきた
「た…大変よ!盗賊が攻めてきたわ!」
「なんだと!」
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