1. わ た し

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「おはようございまーす!」 着いてすぐに大声で挨拶した。 「おはよう、中川さん。今日も元気でなによりです」 「あっ、坂本せんせい、おはようございます!今日も元気です!」 うふふと笑って先生は職員室に向かっていった。 「おはよう、サナちゃん」 「おっ、イツキちゃん!今日も可愛えな~」 「もうっ、やめえよ~サナちゃん」 私は親友、北野(きたの) 伊月(いつき)ちゃんに抱きつく。 彼女は天使のように可愛い。いくら可愛い私でも、イツキちゃんには勝てない。 「あー、うわきやー」 後ろから幼い声が聞こえる。 「智志(さとし)、あんた、その歳でようそんな言葉知っとんな...」 その子はイツキちゃんの弟の智志くんだ。「だっていつき、たくとくんのこと好きなんとちゃうん?」 「うるさい!」 「よう、中川、北野、それから弟くんも」 と、絶妙なタイミングでそのたくとくん、三田(みた) 拓人(たくと)が教室から出てきた。 見るとイツキちゃんはすっかり顔を赤らめてしまっていた。 「おはよ、拓人」 私は言う。 「お、おはよう、たく...三田くん」 「あれーどうしたんー、いつきー。まさか名前でいうのー、はずかしいんー?」 「あんたは黙っとり!」 「だそうですよーた・く・とせんぱい」 「何も言ってないやろ!...っていうかなんであんたは上級生を先輩呼ばわりすんねや...」 「だってやめれやんし」 「知らんわ...」 「仲良いなぁー姉弟」と私はニコニコして見守る。 「もう始業式始まるし、入ろうや、教室」 といって私含め4人はそれぞれの6年生、2年生の教室へ入っていった。
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