運命のタイミング

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運命のタイミング

「杉野さん婚約してるんですね!羨ましいです。」 新米ナースさんが婚約指輪をキラキラした瞳で見つめる。 嗚呼、すごくフレッシュな反応だなあとか思うあたり私はアラサーらしくなってしまったらしい。 こんな高さ5mmにも満たない輪っかを女性達は喉から手が出るくらい欲しがっているのが現実で、でも当事者の私はそんなに浮足立っても糞もなかった。 本当にカッコつけてない。 これは本心、ただ言わないでおいた方が良いに違いない。 「ナースさんまだ若いから大丈夫ですよ。」 アラサー女性らしいベストな回答かはわからない。 でもそれらしいことを返しておいた。 「やっぱ若いうちがチャンスですよね。あー合コン頑張ろう!」 「うふふ。合コン頑張ってください。」 「まあ、良い人いなそうですけどね。駒枝先生みたいなクール系も小泉先生みたいなかわいい系もなかなかいないですし。」 「そうなんですか。逆に職場内で探してみたりとかは?」 「うーん。あの二人はもう恋人いると思うのでそれはないかなと。」 ふーん、小泉君って彼女いるんだ。
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