煙草と医者

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煙草と医者

「…。」 煙草をくわえながら今朝退院していった女性からの手紙を読んでいた。 俺には全く彼女の心意が分からなかった。 抜け殻に栄養補給とは対立している煙を吸い込ませて考える人と同じポーズをとっていても分かるわけがなかった。 それは他人の心の話だから。 わからないものをわかろうとするのが雲をつかむようなことだというのはわかる。 吐いたばかりの煙を掴もうとしてもできなくて、ただ、風が自分側にふけば目が痛くなるのは必然的だ。
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