3.おともだち、友達

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『今日は泊まるところあるか?』 「んー……」 『こっちはサーヤがきてる。あと一人くる予定だが、泊まるところがなかったらお前も来ていいぞ。店員オーバーだが、なんとかなるだろ』  古狼の家は何度か行ったことがあるので知っている。あのクソ狭い部屋に、ガタイのいい古狼とその他三人なんて無理だ。立ったまま寝ろってか。  それでも俺を受け入れようとしているのは、急遽閉店することになった申し訳なさからだろう。  ぱっと見れば強面(こわもて)の古狼だが、面倒見がいい。優しすぎて、無理してでも人を助けようとするところがある。行き先のない俺やサーヤを拾ったのも、古狼の優しさだ。これ以上、甘えるわけにはいかない。 「俺は大丈夫。泊まるところあるから」  虚勢を張って、明るい声を出すよう努めると、電話の向こうで古狼が安心したように息を吐いた。 『それならよかった。じゃ、また明日連絡する』 「あいよー。明日はお店開くといいな」 『任せとけ。なんとかする』  そして、電話は切れた。  目的地は変更だ。ウルフライダーに行こうとしていた俺は踵を返す。  スマートフォンを操作して、泊めてくれそうな友達に連絡をしながら、繁華街をうろついた。
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