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どうして誘いに乗ってしまったのか、と聞かれれば理由はいくつもあった。秋の夜は寒かったし、いい公園も見つからなかった。それにお酒が飲みたい気分で、飲んだら体も温まるかと思った。
そして最大の理由は――実月のことが少しだけ気になっていた。
三日連続で会うなんて偶然が続く中、手を出すこともなく、飯まで食わせてくれる優しいアルファ。
俺の人生にこんな男はいなかった。もう少し知ってしまえば彼を信じ込んでしまいそうな、恐怖と好奇心が入り交じった感情。
そうして、やたら綺麗で広い実月の部屋に戻った。
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