マルと仲本

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「マル、お前ようさん儲けたのー、ほい、三割引いて七万円や、ご苦労やの、んでなんや、こないに稼いで、なんか欲しいもんでもあるんか。女、買うんやったらおっさんに言わなあかんど、やすーで最高の女抱かしちゃるからの」 「Σ( ̄□ ̄)な!なんですと?おい!仲本!予定変更や!旅行は来年の夏にしたらええがな!」 「アホか!俺ら中二やろ!」 「おい仲本!お前、そんなしょぼい根性やから貧乏するんじゃ!」 「うるさい!好きで貧乏しとんちゃうわい」 「ほんならバチーンと稼いで女くらい抱いたらんかい、この貧乏ハゲ!」 「なんやとーー、マル!お前!しばく!」 「上等じゃ、掛かってこいや!貧乏ハゲ!」 そこでおっちゃんの鉄拳が俺の後頭部に振り下ろされる。 「いっでーーーー!なにしよんねん、この糞親父!」 「店の中で大きな声で喧嘩すな!俺は稼いだ金で何をするんか訊いてるんじゃ!」 「いやいや、おっちゃん、僕ら修行に行くんですよ、修行!マルはアホやから変な事吹き込まんで下さいって」 「修行?」 「そうそう、僕ら、高野山行って、禅の修行してきます」 「おーい、ちょっと待て仲本、俺、今、独りぼっちになったぞー、聞いてへん、聞いてへん、ちょっと待て!俺らが行くのは旅行ちゃうんかい」 「まぁ一週間やから旅行みたいなもんや、寺に籠もって座禅を組んで修行するんや」 「仲本くん・・・じゃ・・・喫煙とか・・・」 「いやいや、お前、基本、未成年やし」 「エロビデオとか…」 「ビデオデッキよかテレビ自体が無いやろ」 「まさか、酒の販売機も、つまみも、お菓子も・・・?」 「売ってない売ってない、寺やで?寺に行くんやでマル?」
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