赤ずきんとは何か【概論】

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「赤ずきん」のベースとなった物語はヨーロッパの各地にあり、それらをまとめ、編集や脚色を加えて出版したものが、現在広く知られているグリム童話やペロー童話の「赤ずきん」である。 ここで議論する「赤ずきん」は、後世に広く知られたグリム童話版の赤ずきんとする。 1-1. 事件の発端 被害者・「赤ずきん」 「赤ずきん」という童話は、森で一人暮らす祖母の見舞いに行った少女が、赤ずきんの祖母宅に先回りして在宅していた祖母を丸呑みし、その後祖母に扮して待ち構えていた「狼」に丸呑みされてしまう。 その後、赤ずきんは通りかかった「猟師」に救出され、狼は死亡する。 母親が幼い娘を、祖母の見舞いのための品という名目のわずかな食糧を持たせ、「狼」が徘徊する森へ遣いにやる。好奇心溢れる赤ずきんは、森の中で狼と遭遇し、自ら行き先を話してしまう。これが本件、赤ずきんとその祖母への殺人未遂事件の発端である。 まず、この赤ずきんと呼ばれる少女はどんな少女だったのかを検証したいと思う。
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