1 負の連鎖

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「それと、立体になってないから大丈夫かもしれないけど、 長い爪は怪我にも繋がりますから、一応、禁止です」 デコレーションもネイルチップもしていないが、 一週間前に、ネイルサロンで新しいデザインにしてもらったばかりだ。 それを切れと、のたまわる。 「それから昼休みは、ここを空に出来ないので早番と遅番のシフト制。 早番は11時半から、遅番は12時半から、それぞれ1時間ずつね。 あぁ、遅番の時はね、食堂も混むしコンビニにもろくなものが残ってないから、事前調達することを薦めますよ」 そして「後、何かあったかな……」と、少し考えるように間を空ける。 そして、思い付いたように、ポンと自分の左の掌を右手の拳で打った。 「ロッカーね」 そう言って、部屋の奥に並んだ細長いロッカーを指さした。 「えぇっとね、名前が入ってない所が空いてますから。使ってください」 先に言えよ!  思わず、胸の内で突っ込んだ。 しかし、顔にはちょっぴり歪んだ笑みを作り、 未波は、黙ってロッカーへと向かって行った。
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