2 前途多難

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2 前途多難

この日、未波は、帰宅するなりスーツも脱がずに浴室へと直行した。 そして脱衣所にバッグを置き、上着だけ脱いでブラウスの袖をまくり、 風呂を準備する。 それを終えて、風呂焚きのスイッチをポンと押してから、 その場で、腰に両手を添えて大きく反りかえった。 「うぅーん、疲れた」 本気で眩暈がしそうだった昭和課長の話は、一言一句、間違いはなかった。 現在のメール室のメンバーは、課長の矢代を入れて4人。 まずは、10時から15時までのパートとして従事する松本という中年女性。 「まだね、息子が大学で、お金がかかるのよ。 それと、旦那が定年退職した後の旅行資金を、こっそり貯めたりね」 初対面の紹介にも関わらず、あっけらかんと笑いながらそんな事情を話してくる。
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