2 前途多難

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「本社便は午前に来ちゃうから、そっちの業務は明日やってもらうとして。 今日は、取り敢えず、支店便の仕分けをしてもらいましょうかね」 そう言われたのは、社内便で各地へと運ぶために持ち込まれた書類や荷物を、各支店ごとに分ける作業。 もちろん作業そのものは、単純だ。 しかも大きな荷物は、持ち込まれた段階で辻上が処理をしてくれる。 それでも、そこは大手証券会社。 支店だけでも全国に50近くあり、それに主要都市にある支社を加えれば、 約60ヶ所。 だから、書類や荷物は、大人でも余裕で入れそうな大きな籠2つ分。 それらを、支店ごとに分けられた棚に、それぞれ入れていくのだ。 だが未波も、総務に勤めて4年。 全国のどこに支店があるかも分かっているし、当初は楽勝だと思っていた。
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