2 前途多難

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「のんびりし過ぎてて、徹夜になる」 くっそぉーっ!  着替えながら、この日を振り返った未波は、思わず独り言を大きく叫ぶ。 そして、それが引き金になった。 「まったく、なんなのあの男!  初めてやる仕事なんだから、少しくらいモタ付いたってしょうがないじゃない。 それを、初日からサクサク出来たら、天才だわ。 ってか、何アイツ。いったい何様よ!」 最悪、最悪、最悪っ!!  小さく地団太を踏み、悪態をついた時、風呂が沸いたことを知らせてくる。 ふんっ!  未波は、憤慨を荒っぽい鼻息に飛ばした。 だが、7センチヒールでの半日立ち仕事の疲労が憤慨に勝った。 だから、それをちょっぴり負け惜しみを含めて、こう締めくくった。 まぁ、せっかく沸いたお風呂に免じて、今は忘れてやる。
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