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別に、まだ元孝への未練があった訳ではない。
だが彼女は、その手の男性と自分では
スペックが違い過ぎると思っていた。
肩書きという点に関しては、一応、大学も出ているし、
勤めているのも一般職だが大手の証券会社だ。
しかし未波は、どうにも容姿に自信がない。
顔は、まぁ人並みだとは思っている。
しかし体型は、生まれてこの方、ずっと小柄でポッチャリ。
もちろん彼女だって、数々の努力は重ねてきた。
成長期には、背が伸びれば体型もスラリとするかと、
毎日、牛乳を飲み続けた。
当然、様々なダイエットには挑んできたし、
社会人になってからは、定期的にジムにも通っている。
だが、どうやら遺伝子レベルでこの体型からは、脱せられないらしい。
それが証拠に、彼女の家族は
痩せ型の父親以外は、皆、小柄のポッチャリさんだ。
そして彼女は、スペックが高いと自覚している男性ほど、
この手の女性を相手にしないということを、
これまでの経験から、十分、学んでいる。
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