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10.急展開の?
その2週間とは、日内新聞社に何度か私服で直接出向いて外見上警視庁風味をか
き消しビル近くの喫茶店で日内新聞社と親密な可能性のあった以前から親しい週刊
向春の知り合いと情報収集に努めていた。なぜかというと、今現在の秋山刑事の捜
査班の状況では、あまり日内新聞社の協力が芳しくないと耳にしたせめての江草刑
事の作戦であった。江草刑事が長年警視庁で勤めてきた中でもよく過去にあったこ
とだが表向きは警察に依頼しながら裏では闇に葬りたいという大企業の矛盾に多く
の同僚たちが涙したことになりがちだったがためである。一週間の内前半は、喫茶
店で店長が珈琲を出してくれ、「ここ、よくすぐそこの日内新聞社の記者もよく来
るの?」が始まりではあった。忙しい中、その喫茶店で何度か週刊向春の成松 幸
久編集員と推測にすぎない犯人捜しの談話をしていた。彼なりには、警視庁勤めが
長かったがため、神奈川県警の雰囲気に馴染みにくい中、彼のストレス発散にも
なっていた。そして、5日経って成松氏が快く協力してくれるということで日内新
聞社の知り合いである戸枝 幸正に会い、江草刑事自身も編集員になっているとい
うことで色々と話した。そうこう6時間経った頃、協力者の戸枝 幸正が、成松編
集員と江草編集員(実は刑事)のうまいコンビによる口合わせで瀬野記者と大北記
者とが、おそらく1週間おきに亡くなる去年の暮れごろの1カ月前ぐらいから見慣
れない派手な服を着た大柄な男に追いかけられていたと話した。そして、瀬野記者
と大北記者が元交通大臣峰岸 昭信の記事共同作成者であったことも分かった。電
話で、おそらく、追いかけてきたその男は、情報屋の徳井 久雄と名乗っていたと
話してくれた。そして、その日は、時をも忘れるほど疲れた長い一日が終わった。
もうあっという間に日が暮れ、あまりにも考えられない収穫で江草刑事は、今回
世話になった成松編集員に食事を奢るといい、夜の商店街に向かって行った。
そしてその男を追い、連日問い合わせても所存不明だった中、あっという間に2
週間が経った矢先に、この永田町も神奈川県警ビルもぶっ飛びそうなビッグニュー
ス、元交通大臣峰岸 昭信逮捕であった。
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