8.同僚の足跡

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8.同僚の足跡

江草刑事は、 「あつ、これは、そういえば木ノ内オーナーの件は、」 とつぶやきながら、島中刑事のメモにもあった平成18年6月25日に( 14時 木ノ内取締役 木田 に会う )と記入してあったことを思い出した。  担当割リストに目を通して、木ノ内産業担当の上尾 捜査班に内線で、連絡し、 「あつ、捜査一課の江草です。今、上尾さんいらっしゃいます?」 すると、事務員の江花さんが、 「あつ、いますよ。江草さんですね。しばらくお待ちいただけます。」 約1分程して、上尾捜査員が、電話に出て、 「あつ、お待たせしました。江草さんですね。お疲れ様です。木ノ内オーナーの 変死事件の件ですね。どうぞ。」 と言った。 江草刑事は、 「島中刑事が、6月25日に木田という方に会った後の何か分かったことありま す?私なりの解釈では、島中刑事と新聞記者2人の事件とこの木ノ内オーナーの変 死事件は、接点がなくどうしてもそちらの進展具合を確認したく。」 と言った。 すると、上尾捜査員は、 「はい、木ノ内オーナーの変死事件は、捜査情報にもある通り新聞記者大北氏が亡 くなった去年暮れごろの12月30日の1週間後1月5日に、彼の別荘のある群馬 県高崎市のやまぶどう園近辺にて散歩中倒れていたようです。」 また、 「群馬県警さんの報告によると、この日に一人不審人物を誤認逮捕して余り動きに くい中、まだ捜査官は、極秘で動いているそうです。木ノ内オーナーのトラブル関 係を私の班が今も調査中ですが、木田取締役には、うちの捜査員2人が行きまし た。そこでは、木ノ内オーナーが別荘を利用することは社内でも極秘らしいですが この事をどういうルートなのか謎だが知ってる人を島中刑事は、必死に追跡してい たかもと言っていました。」 と言った。 江草刑事は、 「はー。分かりました。ありがとうございます。」 と受話器を置いた。  でも、なぜ、彼が?と愕然とした。こんな大事件をなぜ彼が?。と何十分も呆然 としていた。 しばらくして、飯島捜査一課課長が、何か気づいたらしく江草刑事の肩をポンと 叩き、 「ちょっと、談話室へ来ても。江草さん。お疲れさん。」  そして、飯島課長と江草刑事は、談話室へ入った。
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