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 大きなウインドウからは、弱々しい冬の光が入って来る。ブラインドをしめなくても良い位だ。  空は曇っていた。いつもの私の心の中もこんな色だなと思いながら、ぼんやり空を眺める。 「ねぇ、大久保さんはどう思う?」  その言葉に我に返り、私は視線を二人に転じた。二人共私にすがるような、意見を求めている顔を向けて来た。  上の空だった私は、返答に詰まった。今は原村先生の話をしていたのだから、原村先生をどんな風に思っているのか聞きたいのだろう。 「うん。原村先生は、私、好きじゃなくてね……」  ボソボソと正直に答えたが、私は胸が痛んだ。人の悪口を言う事に対し、罪悪感を感じたのかもしれない。 「でっしょー! やっぱり!」 「だよね! あの先生さ、もう五月蠅いのよね」  私の答えに、二人共安心した顔をした。原村先生はあれはあれで、問題のある先生なのかもしれない。  でも、うちの場合は……。うちの子に問題があるから、あなた達の子とは違う……。だから私には、先生を悪く言う権利はない。  心に針をチクチク刺された気分になった。
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