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 そのうちに芳崎の唇は、佳人の暗がりにも白く映える首筋へと辿り落ち、いつのまにかはだけられていた胸元には大きな手が這わされた。 「あっ、はぁ…、やっ……ぃやっ」  既に期待に尖り切った胸の肉粒を指先でつままれ、押し揉むように撫でまわされ、あげく熱い舌と唇に捕われた瞬間、佳人は高い悲鳴をあげた。  ハッとして両手で口を塞ぐが、芳崎の動きは止まらない。身動きの不自由な空間でジーンズの前を開かれ、下着の中に手を差し込まれると魚のように腰が躍った。 「ひやぁっ、や、やめて、あ…ぁあっ」  ぬちゃぬちゃと恥ずかしい音が佳人の耳を打つ。 「濡れ過ぎだ」  からかうような、だが、ほとんど余裕を欠いた芳崎の声にカアッと頬が染まり、快感がいっそう膨れあがる。 「佳人……、ダメか」  佳人のもので濡れそぼった太い指が、最も奥まった繊細な場所をこすり上げる。 「あ……っ」  そこはまだ許したことのない特別な場所だった。芳崎は愛撫だけでいつも佳人をとろとろに蕩けさせてしまう。なのにそんな所まで芳崎の太くて逞しいもので貫かれたら一体自分はどんな風に乱れてしまうのだろう。  それが怖くて、不安で、いつもそれとなく逃げてしまっていた。  けれど今は不安よりも欲しいと思う気持ちの方が強かった。  最後まで芳崎に奪われたい。芳崎のものにされたい。激しい恋心が佳人をいつになく貪欲にさせた。  答えの代わりにぎゅっと芳崎の首にしがみつくと、芳崎はホッと息を洩らした。
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