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「ふぅ…う――っっ、あッ、ああっ、あああーーッッ」  あまりの衝撃に佳人は目を見開いたまま、ぼろぼろ…ッと涙を零す。ジンジンと大切な場所が疼いて、熱くてたまらない。 「ごめん、佳人、痛いよな、許せ……」 「ああっ、あッ、だめ、凄っ、おっきい…よ」  身を動かすことも、すがることも出来ずに串刺しにされたまま、佳人は涙を流し続けた。 「佳人……」  ごめん、と繰り返しながら、芳崎は最小限の動作で佳人を優しく自分の胸に抱き寄せる。  ぐちゅりと肉が割り開かれる音が聞こえて佳人は耳を塞いだ。そんな初心な仕草に佳人の中の凶器がいっそう膨れ上がった。 「ああーっ、また、だめ、芳崎さ、怖いッ」  エロすぎ…、と芳崎が興奮に憑かれた声で呟き、そっと身を離すと、佳人のいやらしく尖った乳首を唇に含んだ。 「ひ……っ…ぃやあっ、ぃやっ、いやっ」  烈しい快感が全身を駆け抜け、同時に貫かれた奥が妖しくうねり出す。痛みを凌駕する快感がじんじんと沸き上がり、次第にじっとしているのが耐えがたくなってくる。 「芳崎さん、芳崎さ、も、お願、おねがい!」  自分の身を貫く感覚全てに惑乱し切った佳人は、芳崎の肩に噛みつき、首筋にすがった。 「可愛すぎるだろ、おまえ――」  芳崎は怒ったみたいに細腰をぐっと掴み直すと、深く繋がったまま佳人を座席に押し倒した。それから引き締まった強い腰を、繋がった場所に打ちつけ始める。 「ぃゃああっ、ああッ、あっ、あんッ」  女のような悲鳴をあげて、佳人は貪られるままに甘い蹂躙に耐えた。ぽたりと首筋に零れ落ちたのは芳崎の汗だ。  頑健な肩と嗅ぎ慣れたトワレに混じる雄の体臭に包まれ、いま佳人は焦がれてならない男に犯されている。心も身体もすべて、深く、深く。  何もかも奪われるような荒々しさに被虐の悦びを覚え、貫かれたまま目の裏に火花が散るような激しい絶頂を迎えた。 「ーーぅッ、……ぁああーーッッ」  息をつく間もなく佳人の一番深い所に芳崎の情熱を注ぎこまれ、佳人は生まれて初めて知る快楽の深遠へと、容赦なく突き落とされた。
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