第二十四話 津島到着、そして

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 昔から津島は尾張随一の商業港だったが、その経済力に目を付けた織田信定は津島を攻め、これを支配下に置いたのだ。  そして船が出入りするたびに関税(通行税)を徴収し、また裕福な商家からは冥加金(売上税)を取った。その結果、織田家は莫大な収益を得ることになったのだ。織田家が戦国時代になって大きく躍進した理由のひとつはそれだ。 「で、弥五郎。津島に来たはいいけれど、これからどうするつもりなん?」 「そうだな。とにかくいまある持ち金と商品を使って、金儲けをするのが一番の課題だ。そうしなきゃ飢え死にしちまう」 「そら、そうやろうけど。そもそもアンタ、いまどれくらいお金と商品があるん?」 「これくらいだ」 《山田弥五郎俊明 銭 5貫300文》 <目標  5000貫を貯める>  商品  ・火縄銃   1      ・陶器    3      ・炭    20      ・早合    4      ・小型土鍋  1 「わー、この銃、ずいぶん使いこんどるね?」 「父ちゃんの形見なんだよ。……しかしこれ、どこで手に入れたんだろうな」  道中で手入れしたときも思ったが、お世辞にも上質な鉄砲ではない。  火縄砲といってもピンキリあるけれど、この銃はハッキリ言ってキリのほうだな。父ちゃんには悪いけど。 「この陶器のツボは、瀬戸で作られているやつかね?」     
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