第二十四話 津島到着、そして

8/8
4666人が本棚に入れています
本棚に追加
/1321ページ
「ウイッ! ちくしょう! それを言うなよ! オレだって、オレだって、ヒック。……ああそうさ、オレはどうせダメな男さ! この滝川久助一益はよう、酒と博打に溺れて、伊勢の実家も追い出されちまった情けねえ侍なんだよう!! オーイ、オーイ、オーイ!! ――ウイーッ、ヒック!!」 「お酒くさっ!!」  あかりちゃんが顔をそむける。  そりゃそんな至近距離で酔漢の息を吹きかけられちゃ臭かろうな――  って、そうじゃなくて!  滝川一益……?  織田信長の家来で、めちゃくちゃ活躍する有能な武将。 『退くも滝川、進むも滝川』と称され、信長の天下統一事業におおいに貢献した人物――  あの滝川一益なのか!?  この酔っぱらいが!?  う、嘘だぁ……。  い、いや確かに、滝川一益って若いころ、博打が好きすぎて家を追い出されたって話はあるんだけど。  そ、それにしたって……。 「ウイーッ、ヒーック!」 「お酒くさっ!!」  なにやってんだよ、このひと。こんなところで!
/1321ページ

最初のコメントを投稿しよう!