第二十六話 滝川一益の謎

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「うおっ!?」 「弥五郎を殺さんとって!」 「ど、どけっ、小娘!!」 「どかんし! その武器、捨ててっ! お願いやけん――」  一秒か、二秒か。  短い時間、ふたりはもみ合った。  そして、その結果――ふぁさり。  カンナのかぶっていた布がほどけ、地面に落ちた。 「「……!!」」  滝川一益と、あかりちゃん。  ふたりは息を呑む。  夕焼けで満ちた、紅一色の世界の中。  美しい金髪が、サラサラと風に揺れていた。 「お、お前……」 「き、綺麗な髪。――きらきらしてる」  滝川一益もあかりちゃんも、おそらくはじめて見る金髪。  その髪の色に、ふたりは呆然としている。  カンナは無言のまま、焦ったようにみずからの長い髪をつかんだ。  場の空気が、静まる。  滝川一益からそっと逃れた俺は、静かに言った。 「この子は外国の血を引いているんです。だからこういう髪の色なんですが」 「「…………」」 「……あの。仕事を横取りしようとして、すみませんでした。酔っぱらっておられるから、無理なんじゃないかと思って名乗り出たんですが、失礼なことをしました」 「「…………」」 「カンナ、ありがとう。助かったよ。……行こう。ちょっと縁がなかったみたいだ」 「あ。……うん」     
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