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「頼む、なんでもするから! ど、どうだ、オレの裸踊りとか? これでも酒の席での余興には、ちょっとした自信が――」
「やめてください、滝川さま!」
あかりちゃんが全力で止める。
「じ、じゃあやっぱり金だな。あかりちゃん、ちょっくら金を貸してくれ。ちんちろりんで増やしてくる!」
「だからそれもやめてください、滝川さま!」
あかりちゃんが、やっぱり全力で止めた。
俺とカンナは、妙な流れに声を失っていたが――
やがて俺は、言った。
「別に謝礼とかはいいですけど。俺が気にしているのは、さっきのイノシシ退治の話です」
「あ。……ああ、あれか」
「ええ、あれです。……実は俺たち、いま、金を稼ぎたいんです。だからイノシシ狩りをして、少しでもお金や米が手に入るのならそれをやりたいんです」
俺は、滝川一益の目を一直線に見据えて言った。
「どうでしょう、これはあくまで提案なんですが。……イノシシ退治を一緒にやりませんか? 報酬は折半」
「む」
「その代わり、早合の仕組みもお教えします」
「む。……む、む、む!」
滝川一益は、俺の提案を受けて、考える顔を見せたが――
やがて、大きくうなずいた。
「……それで本当に、早合とやらのことを教えてもらえるなら、そうしよう!」
「いいんですね!?」
「滝川に二言はねえ!」
滝川一益は、大きくうなずいた。
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