第二十六話 滝川一益の謎

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 ……よし、やったぜ。イノシシ退治の仕事を手に入れた!  報酬はわずかに、銭1貫と米1俵。しかもその半分だ。  しかしそれでも、千里の道も一歩からだ!  カンナの言う通り、この仕事をきっかけに、商売のきっかけがつかめるかもしれないしな。  俺とカンナは、思わず顔を見合わせ、目を細めたものである。  翌日。  俺、カンナ、滝川一益、あかりちゃんの4人(と馬1頭)は、海老原村へと向かった。 『もちづきや』は確かに破格の宿だった。  素泊まりで、ひとり1泊20文。俺とカンナで40文しかかからなかった。  板張りの部屋に、雑魚寝という環境だったがこの値段なら充分だろう。  いちおう、部屋の中についたてはあったし、なによりも夜露が凌げれば充分だ。 《山田弥五郎俊明 銭 5貫260文》 <最終目標  5000貫を貯める> <直近目標  海老原村のイノシシを退治する>  商品  ・火縄銃   1      ・陶器    3      ・炭    20      ・早合    4      ・小型土鍋  1  ちなみに昨晩と今朝の食事は、小型土鍋で炊いたヒエである。  あかりちゃんが、サービスで少し分けてくれた漬物も食べたけど。  あれはうまかった。 「昨日はいろいろと悪かったな」     
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