第二十六話 滝川一益の謎

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「へえ。それがどうして、あんなに酒飲みになっちゃったんだろう?」 「それは分かりません。実家のほうでいろいろあったみたいですが」 「ふうん……」  俺は、道端にうずくまっている滝川さんの背中を見た。  あそこまで酒飲みになるのは、褒められたことじゃない。  だけど、気持ちがまるで分からないわけでもない。  前世で、飲んだくれたいと思ったことは何度もあったしな。  酒がダメな体質だったせいで、そうはならなかったけど。  やがて滝川さんは、戻ってきた。 「……ようやく少し落ち着いたぜ。すまんな、山田、あかりちゃん」 「滝川さま、お水飲みます?」 「ああ、頼む。……ごくごくごく」  あかりちゃんが竹筒を差し出す。滝川さんが水を飲む。  その様子を、カンナは無言で観察していた。  金髪と、赤いマントが、風に揺れている……。  ……さっき、滝川さんはカンナに話しかけなかった。  あかりちゃんも、あまりカンナと関わろうとはしない。  金髪に抵抗があるのか。どう話したらいいのか分からないのか。  どうにかしたい気もするが、こればっかりは俺にも名案が浮かばない。  カンナと、滝川さん&あかりちゃんは、口を利かないままだった。  ――さてその後。     
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