第二十七話 以後、お見知りおきを

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 悲鳴があがった。  いまのは……八兵衛翁の声だ!? 「なんだ!?」 「いくぞ、山田!」  俺と滝川さんは銃を構えて疾走した。  村のあぜ道まで、戻ってきた。  するとそこには、カンナ、あかりちゃん。  そして腰を抜かしているのか、地面に座り込んでいる八兵衛翁の3人と――  先ほどのイノシシが、いたのである。  カンナたちに向かって、いままさに走り出そうとしているイノシシ。 「こいつ、こんなところにいるなんて!」 「撃つぞ、山田!」  滝川さんが銃を構える。  しかし、遅かった。  イノシシは、なんとあかりちゃんのほうへと突っ走っていく。  俺たち、イノシシ、あかりちゃんが一直線に並ぶ形となった。  まずい。位置的に、ここで発砲してもイノシシの尻にしか弾は当たらない。  それで殺せるか? しかもしくじったらあかりちゃんに当たるかもしれない……!  滝川さんも、その事実に気付いたらしい。「ちっ」と激しく舌打ちする。  どうする? 一か八か、弾を撃つか――  そのときだ。 「危ないっっ!!」  カンナが、あかりちゃんに向かってその肉体を飛び込ませた。  その結果――間一髪! 直前まであかりちゃんがいた空間を、イノシシが切り裂いていく。     
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