第二十七話 以後、お見知りおきを

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「や、やった。……やったあ! すごーい!!」 「やったやん! あはは、やったあ! ばりすごかっ、弥五郎!」  あかりちゃんとカンナが、はしゃぎ回る。  カンナはよほど、テンションが上がっているんだろう。  俺以外の人間がいるのに博多弁だ。  そして。 「や、やったか。イノシシを倒したか。さすがは滝川さま。そ、それに――」  八兵衛翁は、俺のほうをチラチラ見ながら――  やはり腰を抜かしているのか、うまく起き上がれないようだ。  俺はそんな八兵衛翁に近付いて、手を差し伸べつつ、 「弥五郎です。山田弥五郎。……以後、お見知りおきを」  滝川さんをちょっとマネて、ニヤリと笑ったものである。
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