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「あかりちゃんを助けてくれたこと、オレからも礼を言うぜ。ありがとな、蜂楽屋ほうらくや」
「え。あ。あっと。……ええと……」
八兵衛翁とあかりちゃんと滝川さんに謝られ。
お礼まで言われたカンナは、戸惑ったように顔を赤らめ。
それから――ちょっとだけ目を潤ませて、
「……いいとよ。そんなこと、もう。……うん、あかりちゃんが無事でよかったばい!」
「はい、よかった! もうなにもかも、本当によかったです! えへへ……」
「ところでカンナさん。あんたの言葉は、そりゃどこの言葉なんじゃ?」
「オレには分かるぜ。博多のほうだろ? 昔、博多の人間と話したことがあるんだ」
「ほ、本当に!? 滝川さん、それなんて人ね? もしかしたら知り合いかもしれんっちゃが!」
カンナは嬉しそうに、ニコニコと滝川さんたちと話している。
布はもう、かぶっていない。綺麗な金髪を揺らしながら、笑っている。
その日の夜は、宴だった。
仕留められたイノシシの肉をさばき、鍋にして、村人たちも交えて、みんなで食べ、騒ぎ、歌ったのだ。――イノシシ鍋は、バツグンに美味かった!
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