第二十九話 加工貿易

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 早合を作るには、鉛弾、火薬、漆、紙が必要だということ。  鉄砲を1発撃つ弾や火薬の代金は180文だということ。  そこに、早合のための漆や紙の代金を加えるのだが、それで果たしてこの商売は黒字になるか、ということ。  カンナはちょっと考えていたが、 「早合に使う分の漆や紙の量は、そんなに多くなかっちゃろ?」 「ああ」  俺はうなずいた。  かつて、大樹村から離れた直後、早合を作ったときのことを思い出す。  あのときは、わずかな紙と漆に、鉛弾と火薬を用いて、早合7発を作り出せたのだ。 「なら、漆と紙の費用はそんなにはかからんよ。早合1発360文は、充分に利益が出ると思う」 「そうか! よし、決まりだ」  俺は手を叩き、佐々さんのほうへと向き直ると、 「それではこのお仕事、お引き受けいたします」  と答えた。そして、   「10日後に、またここで会うというのはいかがですか? 早合50を作ってきますので」 「……(きらきらきらきら)」 「……了解ってことですね? それじゃ、それでいきます。早合50発、作ります!」  俺、カンナ、滝川さん、あかりちゃんの4人は、津島へと戻っていく。  俺の胸は野望に燃えていた。  作ってやるぞ、早合を!  儲けてやるぞ、お金を!     
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