第三十話 和田惟政登場

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     ・早合    3      ・小型土鍋  1      ・米    15      ・鉛弾   49      ・漆     7      ・紙     7      ・硝石    5      ・硫黄    1  買い物を終えた俺たちは、『もちづきや』に戻った。 「いろいろ買ったが、硝石がいちばん高かったな」  滝川さんが言うと、カンナが横から、 「火薬の原料やけん。もっとも、あれでもずいぶん安売りされとると思うばい。……滝川さんこそ、変わったひととお知り合いやねえ」 「まあ、オレもオレでいろいろ経験しているからな」 「そういえば滝川さんって、銃とか忍術ってどこで勉強したん? 独学やなかよね?」 「ん? うん、まあ。……なんていうか、若いころにかじっただけさ」  滝川さんは、目をそらしながら言った。  うーん、やっぱり滝川さんって過去になにかあったのかな。  あまり触れられたくなさそうな空気だったので、俺はその話題を口にしなかった。  カンナも、もう尋ねない。  ……そんな雰囲気を変えるためではないけれど、 「それじゃ、火薬を作ろう」  と、俺は言った。  小型土鍋を、床の上に置く。     
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