第三十話 和田惟政登場

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「ありがとうございます」 「満足だ。……代金は18貫だったな。……支払おう」  佐々さんは馬に載せていた荷物の中から、袋を取り出して俺にくれた。  中には――おお、銭がたくさん入っているぞ!  約束の18貫だ!! 《山田弥五郎俊明 銭 18貫742文》 <最終目標  5000貫を貯める>  商品  ・火縄銃   1      ・陶器    3      ・炭    18      ・早合    2      ・小型土鍋  1      ・米    15 「ひゃー、きたきたきた! 永楽銭ばい、弥五郎! 打平あくせん一枚さえ混じってないピカピカの永楽銭ばいっ!」  カンナは銭を見て大はしゃぎである。俺は苦笑した。 「…………(きらきらきらきら)」  佐々さんは、輝くような目で早合数十発を眺めている。  オモチャを手に入れた子供のようだ。  滝川さんは、そんな佐々さんを見て笑った。 「ずいぶんと楽しそうだなあ、佐々」 「…………(こくり)」 「その早合50の中には、オレが作ったやつも入ってるからな。大事に使えよ」 「…………(眉毛八の字)」 「って、おい。なんだその残念そうな顔は! 山田がちゃんと太鼓判を押した早合だ。品の質に問題はねえよ!」     
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