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「なにを作ればいいのですか? 早合ですか?」
「いや。……我が里には、鉄砲を扱える者がそう多くはない。それなのに早合を仕入れても、意味がない」
「まあ、それはそうです」
「誰でも使える火器があれば、里の戦力増強になる。……どうだろうか。甲賀衆300人が全員使える。そういう火器はないだろうか? それもできれば早急に手に入れたいのだが」
「早急に、ですか。難しいなあ……」
そう言われて、俺はちょっと考えた。
誰でも使える火器となると、鉄砲とか、あるいは鉄砲の弾とかじゃダメだ。
さらに、すぐ作れる、となると。……もういっそ、火薬をそのまま敵にふりかけてタイマツでも放り込んだらどうだ、なんて乱暴な発想が出てきたりするのだが――
ん? 待てよ。
火薬をそのまま、ってのはさすがにムチャだが――
「――焙烙玉ほうらくだまはいかがですか?」
と、俺は言った。
和田さんは、ふむ、と目を見開いた。
「焙烙玉。……名前は聞いたことがあるぞ。確か、瀬戸内海の海賊がよく使っている火器ではないか?」
「さすがは和田さん、ご存知でしたか。その通りです」
俺は笑顔でうなずいた。
「ねえねえ弥五郎、焙烙玉ってなん?」
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