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村人たちは石を投げ、なお抵抗を続けている。
だが、敵が小屋まで攻めてくるのは時間の問題だった。
「おおい、集まれやい。ここだ、ここに女とガキがいるぞぉ」
「連れていけ、連れていけ! けっへへへ……!」
「女に舌を噛ませるなよ。生け捕りにするんだ!」
野盗集団の下卑た会話が、ついにここまで聞こえてきた。
……ちくしょう!
俺は思わず、歯ぎしりした。なんとかしたい。なんとかしないといけない。
このままだと俺は殺される。あるいは敵にさらわれて、死よりも辛い世界にゆくだろう。
いや、俺だけじゃない。伊与も、父ちゃんも母ちゃんも、村のみんなも――
ちくしょう、強くありさえすれば!!
今日このときほど、そう思ったことはなかった。
強くありさえすれば、この人でなしどもをブッ倒せる。
強くありさえすれば、自分を守れる。家族も仲間も守れる。
そうだ、強くありさえすれば、俺だって! ……俺だって!!
このクソみたいな現実を、すべて吹っ飛ばしてやれるのに!!
……その瞬間だった。
【そうだ、俊明! 思い出せ、お前の能力を!!】
「な、なに!?」
ふいに、声が。
そう、伊与と女性武将について話した直後に聞こえたあの声が、俺の頭を駆け巡ったのだ。
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