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「おう、弥五郎。それならわしの分も、新しい服を頼む。どうもわしの着物はヨレヨレで、さすがに見栄えが悪い」
藤吉郎さんは、嘆くように言った。
なるほど、確かに藤吉郎さんが着ている服は、何年物なのかというヨレヨレぶりだった。
「もうちょっと、いい服を着てくださいよ。足軽組頭になったんでしょう?」
「組頭になった分、いろいろと物入りになったんじゃ。着物まで手が回らんわ」
「そういうものですか。しかしそのヨレヨレぶりは確かにちょっと――」
と、そこで俺はふと気が付いた。
ヨレヨレの着物……? ……これはもしかして……!
俺の中に、光り輝くアイデアが浮かび始めていた。……そうだ、これは売れるぞ!
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