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「瓦――すとおぶ……?」
「見ていてください」
俺は火打石を用いて、まず用意したタイマツに火をつけた。
そのタイマツから、炭に火をつけていく。
そして積み上げた瓦、その中央部分に空いている穴に、炭を放り込んでいったのだ。
ほどなくして――
ぼおお、と、激しく炎が穴の部分から噴き出てくる。
「おおっ!」
「ご覧の通り。……ごくわずかな炭で、これだけの火力が出ます。炭1つで、5つ分の火力にも匹敵するでしょう」
「た、確かに。しかし……これはどういう仕組みじゃ? 瓦を積み上げただけの中に炭を入れるだけで、こんなことになるなんて……」
藤吉郎さんは、仰天している。
俺は、してやったりの気持ちだった。
瓦ストーブ。それは一種のロケットストーブだ。
瓦を特別な状態で積み上げることで、瓦の中は煙突に似たような状態となる。
空気が常に取り込まれて、火力が勢いを増すのである。
「作り方は、一度覚えれば誰でもできます」
石を並べて土台を作る。
その土台の上に、裏返しにした二段重ねの瓦をタテにふたつ並べる。
次に、その瓦の両脇に石を配置する。
そして、置かれた瓦と石の上に、今度は表向きの瓦を一枚ずつ、まんべんなく並べていく。
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